foop 開発秘話 vol.3
「素材についてー飛騨の木」

2016年5月25日

 foopは色々な人々、チームの手によって今のカタチになりました!どんな人が、どんなふうに携わりfoopができたのかをシリーズでご紹介しています。

 第3回目は1、2回目に引き続き、プロデュースに関わられたFabCafeの川井敏昌さんとデザインを担当されたBARAKAN DESIGNの神原秀夫さんを交えてインタビューし、家電には珍しい素材である木の使用について、質問をさせていただきました。

飛騨の天然木で作られた側板
飛騨の天然木で作られた側板

【両サイドの側板が、ナチュラルで優しい印象を与えてくれますが、最初から木を使用する予定だったのですか?】

 アイデアソンでデザインは木やナチュラルなものが良いという意見が出たこともありますが、FabCafeは飛騨にもFabCafe Hidaをオープンし、林業とテクノロジーの可能性について取り組んでいまして、FabCafe Hidaとのコラボということや、日本製にこだわり、日本の木を使いたい!というマーベリックさんの想いとが融合し、反りなどの懸念点はあったものの、飛騨の木にこだわり、木を使うことを決めました。

【木材を使用する上での懸念・問題点をもう少し説明していただけますか?】

 木材を使う上での最大の問題は、温度・湿度による収縮や反りです。合板(※1)は、反りも少なく比較的扱いやすい素材であるのですが、今回は飛騨木の良さが伝わるよう、飛騨産ブナの高品質な無垢材の接ぎあわせ板を使いました。接ぎあわせ板 というのは、例えば、左右に柾目、中央に板目の三枚を接ぎあわせた板で、木の反りを防止する役目と自然の木目を活かした風合いのあるものができるんです。ただ、収縮や反りがある程度発生してしまうため、見た目には分からないのですが、温度湿度の影響を受けないように、とても高品位な表面処理を施すことで対処しました。

【接ぎあわせ板というものを使用しているんですね!(写真の)大きな丸太の状態から出来上がるまで、どれくらい時間がかかるものなのですか?】

 飛騨の天然木を使用しているので、側面板の製品として利用するためには、数か月かかります。製材と天然乾燥に3ヶ月、その後人工乾燥に1ヶ月。木材の準備だけで4か月かかるんです。また、その後木材の加工に入り、仕上げ乾燥に1ヶ月かかります。

飛騨の天然木
飛騨の天然木

(※1)合板とは薄く切った単板を互い違いに重ねて熱圧接着した木質ボードをさし、日本では、ベニヤ板と呼ぶことが多い。(参考:Wikipedia)

 天然木を素材として使用することは、手間と時間が非常にかかり、とても大変なことだったのですね!こんなに大変だとは知りませんでした!!それでも日本製や処理法にこだわり、飛騨木を使用することで、暖かみのあるより美しいデザインになったことがわかりました。一枚一枚、表情が違い、まるでオーダーメイドのようでオリジナル性が高いのも魅力のひとつです!20日から23日まで追加受注したものを含めた150セットの木材はこちらに確保され、現在も乾燥行程に入っています♪こんなに手間と時間がかかって、9月に製品になるんですね!出来上がるのがとても楽しみです。

 次回はfoopの設計について、テクノラボさんにおうかがいします!
開発秘話は今後アプリ、ソフトウェア開発・T2Tさん、8X8アイコンデザイン・BloombroomDesignさんと続きます!お楽しみに♪