foop 開発秘話 番外編
「側面板、5つの加工行程!」

2016年6月26日

 前回で最終回となった、シリーズfoop開発秘話に続いて、来月からはfoopの製造工程の紹介をしていきたいと思います。

 でも、その前に…
開発秘話 番外編として、今回は飛騨木の加工についてご紹介したいと思います!

西野製材所
西野製材所

【foop 開発秘話vol.3「素材についてー飛騨の木」】の時に飛騨産ブナの高品質な無垢材の接ぎあわせ板を使っていることや、天然木を側面板の製品として利用するためには準備だけで4ヶ月かかることなど、ご紹介させていただきました!(詳しくは下をスクロールして是非読んでみてくださいね♪)

 今回はvol.3でお話しきれなかった側面板になるまでの加工工程を詳しくご紹介したいと思います。
総工程数はなんと、5回!そして4軒の加工工場を経てできあがるんです!

【第1工程:製材】

 最初は西野製材所さんで製材となります。foopに使用したブナだけでなく沢山の飛騨の木材を取り扱っている、地元でも有数の製材所です。木材を愛してやまない西野製材の西野さんは、それぞれの木の特性を活かすための製材、天然乾燥をおこなうプロ!
まずは、丸太の皮をはがします。foopの材料には、太いものから、細いものまで様々な太さの丸太を使用しています。foopの側面板は仕上がりの厚さが比較的薄く、複数枚の板を接いで使うので、それほど幅も必要とせず、通常は商品価値が低いとされる細い木も利用することができるのです。これはとてもユニークなことで、森や環境にとっても良いことであり、地元の林業関係者の方々も期待されているそうです! その後、角板に切り落とし、薄い一枚の板にし、乾燥工程に入ります。 ブナ20%と書いてあるのは(写真2枚目)水分が20%になるまで、自然乾燥するという意味で、vol3でお話したように天然乾燥に3ヶ月、人工乾燥(仕上げ加工工程)に1ヶ月と、ゆっくりと4ヶ月かけて使える材料になります。

木材の天然乾燥工程
木材の天然乾燥工程

【第2工程:接ぎあわせ】

 2軒目はMIYABIインテリアさん、板の接ぎあわせ工程です。
木製品の塗装と仕上は、女性の化粧と同じ!とおっしゃるMIYABIインテリアの伊藤さん。どんなによい素材と加工も最後で台無しになることもあるとか。木が最も綺麗な状態で、かつ、湿気や温度変化に負けないように、美しく・たくましく、世の中にでれるように愛情をもって仕上げてくれる、とても頼もしいプロです!
西野製材さんからバトンタッチされ、乾燥し板を規定の厚さ15mmにしていきます。全てが均一になるよう、かんなで削り、同時に表面も滑らかにしていきます。その後、板から節がある部分や曲がっている部分を除きます。それからその細い板3~4枚をもう一度強力な接着剤でつなぎ合わせて、一枚の板にします。つなぎ目があまりに奇麗で目を凝らしてよく見ないと見えないのですが、木目の違うものを組み合わせているので、きちんと無垢の木を使って接いであることがわかります。なるほど〜!それは素人にはわからないですね!!

板の接ぎあわせ工程
板の接ぎあわせ工程

【第3工程:NC加工】

 3軒目は上平工芸さん、NC(数値制御)による自動的に精度の高い旋削加工、溝加工、穴あけ加工をおこなっていきます。
のどかな山のふもとにある小さな工場で、丁寧な加工に定評がある上平さん。大手メーカーの信頼も厚く、大事な部分をお願いされることが多いとか!foopの側板の溝や通気孔をここまできれいに加工できる方は飛騨でもほとんどいないそうです!
工程は…というと、治具を使って、一つ一つfoopの形に切り抜いていきます!
正方形に切った接ぎあわせ板から、foopの外枠にあわせて切り落とし、通気孔をあけ、開閉用の溝を3つ彫っていく、という4工程を行います。板自体は固定され、4つの機械が順番に動き、それぞれの工程を行います。機械の先端にはブラシが沢山ついていて、削る際にでてくるおがくずを掃いてくれるという優れもの!この工程でようやっとfoopの形になりますが、まだ終わりではありません!

NC加工工程
NC加工工程

【第4工程:塗装】

 次に4軒目は再びMIYABIインテリアさんに戻りまして、塗装になります。独自の割合から調整した塗料に一つひとつ手作業で浸けて防水加工をしていきます。しっかりと塗料が染み込んでから一晩乾燥させて、再度表面にスプレーで別の防水塗料をまんべんなくしっかりとかけていきます。そして更に一晩乾燥させて、ようやっと完成です!

塗装工程
塗装工程

【第5工程:刻印】

 最後の工程は刻印です!FabCafe Hidaにてfoopのロゴをレーザーカッターで刻印して、ついに!製品となります!!

刻印工程
刻印工程

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一本のブナから側面板になるまで、本当に多くの人の手と、時間・愛情がかけられて作られていますね!
よく見ると1枚、1枚表情が違い、ますます愛着がわいてきます♪

 代官山「TENOHA &STLYE STORE」にて6月26日まで展示中です。両サイドの側面板もじっくり見ることができる、この機会に是非foopに会いに行ってみてください!